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セルフレジ導入と防犯対策 人件費削減・無人化の課題を解決

更新日:2023年6月26日

アパレル店やコンビニ等で普及が進む「セルフレジ」。セルフレジ導入のメリットとデメリットの視点から、セルフレジ特有の防犯対策についてまとめていきます。




セルフレジとは

セルフレジ(英語ではSelf-Checkout)とは、店舗でお買い物をするお客さん自身が操作して、商品の決済まで全て自分で操作して完了させることができる決済端末のことを指します。


近年、食品スーパーやアパレル店、コンビニなどで普及が急速に進んでいます



セルフレジのメリット


セルフレジ導入における企業側のメリットとはなんでしょうか?


1.人件費の削減

最初に挙げられるのは人件費の削減ではないでしょうか。


近年の原材料高騰や最低賃金の引き上げにより、どの企業も人件費を削り、ビジネスにおける労働分配率を引き下げたいと考えています。


また若年層の人口減とコロナによる外国人労働者の入国減少により、これまで一定数確保できていた安い人件費で雇用できた体制が崩れつつあります


セルフレジでは店舗における「決済のためにレジカウンターに人を貼り付けておかなければならない」という固定費的な側面を大幅に削減することができ、店舗運営における最小人員を引き下げることが可能となります。


2.採用コストを下げられる

レジ会計スタッフの採用にも、求人サイトへ掲載したり、面接を行う時間の確保、採用手続き、採用後の教育など様々な求人コストが発生します。


求人広告の掲載費用は目に見える数字ですが、それ以外のコストは間接的に発生しているコストであり見えにくいコストであることも注意が必要です。


いずれのコストも採用したスタッフが退職してしまうと全く無駄なものになってしまいます。「採用は好調だがすぐ辞めてしまう」といった環境の場合、面接や教育の時間に既存スタッフが振り回されてしまい、正常な運営に支障をきたしている場合もあります。


セルフレジにおけるレジスタッフの削減は、店舗のレジ以外に携わるスタッフの時間=コスト削減にも繋がります。


3.お客さんが購入しやすくなる

近年実店舗でも「接客は行いません」と掲げる店も現れるなど、お客さんとの適切な距離感が求められる時代となっています。


これまでの商品の購入にあたっては、商品をもってレジに行き、店員と会話をしなければならないという点においては、接客要素が残っていました。


そのためセルフレジ導入後には、一切の接客なく商品を購入することができるようになるため、購入のハードルは大幅に引き下がります。


4.従業員が販売に集中できる

単純に人件費を削減したり、最低人員を減らすのではなく、自社のスタッフ=販売員を販売に集中させることができる、というメリットもあります。


これまではレジ対応のためにレジカウンターに張り付いていたり、店頭での作業中でも購入希望者が現れたらすぐにレジに戻る必要がありました。


ユニクロのように、セルフレジを導入することで、売り場の中で販売に集中できるようになるため、適切かつタイムリーな商品レイアウト・陳列などのメンテナンスはもちろん、購入を検討しているお客さんへの接客などに時間を集中することができます。




セルフレジのデメリット

一方でセルフレジを導入した場合のデメリットとはなんでしょうか。


1.接客機会の低下

従来であれば、「もう1品」「会員入会」など客単価を上げたり、リピーターになってもらうための接客が行えましたが、こうしたことができなくなることで、売上が下がるのではないかという懸念があります。


2.シニア層の離脱

新しい仕組みについていけないシニア層にとって、最新のタブレット端末を使ったセルフレジの操作は難解な印象を持つ可能性があります。 (実際には銀行ATMや鉄道の券売機などで画面操作は慣れていてもおかしくないはずですが…) 画面の構成(UI)に既視感がないと、この問題は顕在化しやすいでしょう。


3.不正操作

商品のレジへの登録はお客さん自身が行うため、「商品登録をしたように見せかけて一部の商品を盗む」といった不正操作による窃盗が懸念されます。食品スーパーではこうしたケースを防止するために商品登録前と登録後の重さを計測する装置を取り付けていたり、セルフレジ本体に顔を撮影するカメラ内蔵されていたり、セルフレジ付近にも店員が確保されているなど、予防措置が取られています。


4.万引の増加

セルフレジ導入により店舗全体の人員が減ったり、無人店舗となった場合には、万引の増加が懸念されます。万引犯が万引を行おうと思った状況の1位が「店員がいなかったから」となっていることからも増加するのは間違いないといえます。


セルフレジの導入事例・業種


セルフレジの導入事例を業種別でご紹介します。


1.食品スーパー

セルフレジがもっとも復旧しているのは食品スーパーではないでしょうか。 大手から中堅まで、通常のレジと併設する形でセルフレジが設置されています。

また商品の登録は従業員が行い、決済のみお客さんが行う"ハイブリッド版"とも言えるセルフ決済も増えています。


イオンでは買い物中にカートに商品を入れる際にスマホ型の端末でバーコードをスキャンしたり、野菜などバーコードがないものは画面で選択するなどして登録しながら店内を進み、決済のみ店舗の端末で行うという「レジゴー」というシステムを導入しています。導入された店舗を訪れたのですが、レジゴー端末はとても人気でほとんどが使用中でした。


2.コンビニ


ファミリーマートでは他社に先駆けてセルフレジの設置を進めています。通常のレジとは全く別の場所に設置しているのが特徴です。



セブンイレブンも追随する動きを見せており、多くの店舗で商品の登録は従業員が行い、決済・支払はレジの手前に設置された現金投入口やレジ画面上で電子決済サービスを選択できる端末の導入が進んでいます。





3.アパレル店

アパレル大手のユニクロ・GUでは先進的なセルフレジを導入しています。

商品タグに埋め込まれたICチップをスキャンすることで、「商品をかごに入れたままで商品の決済登録が完了」してしまうのです。


回転寿司チェーンでの決済でも皿にICチップが埋め込まれていてそれをスキャンすることで商品登録を行っていますが、同様の仕組みです。


4.100円均一ショップ

100円ショップの最大手・ダイソーでは、セルフレジの導入が加速的に進んでいます。

一部でセルフレジに対する万引きロスへの警戒がある中、ダイソーでは「全台セルフレジ」という店舗も現れており、「人件費>万引ロスコスト」という姿勢が見え隠れします。



5.飲食店


牛丼チェーンの松屋などでは以前から券売機を設置することで、セルフレジと同じような取り組みを行っていました。飲食業界では券売機が比較的馴染みがあることから、決済のためにセルフレジへ切り替える動きもスムーズに働いているようです。



6.無人販売店

コロナ渦で盛り上がりを見せたのが、無人店舗の動きです。


東京都国分寺市に本社を構える無人餃子販売店の「餃子の雪松」では、店内に設置された料金箱に代金を支払うという非常にシンプルなシステムです。


ある程度販売する商品が限られていたり、販売価格が一律であれば、こうした簡易的な仕組みで無人販売が対応できるとも考えられます。


7.書店

大手書店でもセルフレジの導入が始まりました。

お客さんは購入したい本をセルフレジでスキャンし、決済を完了させることができます。

本は比較的バーコードの位置が決まっていることから、セルフレジ向けの商品だと思いますが、これまで目立った導入がなかったのが不思議なぐらいです。


セルフレジの導入コスト


セルフレジ導入のハードルの一つになっているのが、セルフレジの導入コストの高さです。 セルフレジのシステム自体はタブレットにアプリをインストールするクラウド型などであれば月額0円から利用でき、導入コストも数万円〜と抑えられるのですが、現金の収受・精算・釣り銭の払い出しを行う自動精算機が非常のコストが高く、レジ導入のコスト的ハードルとなっています。


POSシステムの大手・ビジコムのセミセルフレジセットは99万円〜。(ビジコム



株式会社メディアシークの「かんたん無人レジ」では初期費用33万円〜導入可能です。


以前よりは安価に導入できるようになってきたものの、それでも数十万円の費用がかかるのは導入の足枷になると思います。そのためフルセルフ店舗の一部ではコスト高な自動精算機を付けず、「現金不可」としてキャッシュレス決済のみに対応するケースが見られます。


100円ショップ・セリアに導入されているセルフレジは、寺岡精巧製のもの。UNIXで開発されており非常にレスポンスよく反応することで、多くの企業が導入を決定している端末になります。こちらは構成にもよりますが85万円ほどから導入できます。



一方で最近増えている無人販売店の中には、レジを置かず「賽銭箱」で現金を回収する動きもあります。とてもアナログかつお客さんの善意に頼る形ですが、意外にも不正は少ないようです。事業規模によっては導入してみても良いかもしれません。





セルフレジ導入による防犯対策


このようにメリットも大きいものの、商品盗難・万引リスクへの懸念が払拭できず導入をためらっている企業も少なくないと思います。


では実際にセルフレジを導入している店舗における防犯対策は、これまでの店舗とどのような点が異なるのでしょうか。


1.防犯センサータグ・防犯ゲートの設置

大手アパレルショップのユニクロでは、出入口に大量の防犯ゲートが立ち並びます。

購入の際に商品登録に活用されるICチップは、購入の手続きを行っていないままこのゲートを通過すると警告音がなり、スタッフに知らせるのです。


2.防犯カメラの増設

セルフレジ導入により、人員削減を行うことが多いケースでは人の目が届かない場所に防犯カメラを追加するなどの対応が必要となります。


一方でこのような防犯対策を強化したとしても、最終的には人が立ち会わなければ犯人を確保することはできません。また、防犯カメラに写っている画像を確認できるのは事後のことですし、防犯ゲートを通過した犯人を追って確保することは現実的ではありません


ではセルフレジ導入によって万引犯を野放しにするしかないのでしょうか?


AI防犯カメラに注目が集まる

そこで今、注目を集めているのが人工知能(AI)で万引き犯を検知する「AI防犯カメラ」です。


AI防犯カメラは、店舗に設置された防犯カメラの映像をリアルタイムに解析し、培った膨大な動きの傾向から、"万引き犯が取りやすい行動パターン" に合致する人物を自動で判定するものです。


万引き犯の行動パターンに当てはまった人物が検知された場合には、スタッフのスマートフォンなどの端末に通知が飛びます。


その通知を受け取った時にだけ、該当の人物に声がけを行うことで大幅に万引きロスを削減できるという流れになります。


1.無人古着販売店

関東圏に5店舗展開する24時間無人の古着店「秘密のさくらちゃん」では、AIと連携した防犯カメラにより顔認識や行動追跡を行っており、無人でも犯罪を検知するというアピールを行うことで防犯対策を行なっています。



2. 300円ショップ


300円ショップで人気の「3COINS」を運営する株式会社パルグループホールディングスでは、ローコストオペレーションと商品ロス削減のため、AI防犯カメラを導入。

なんと商品ロスの80%削減に成功しました。



3.ドラッグストア


大手ドラッグストアでもAI防犯カメラの導入が進んでいます。 防犯対策のため企業名は明らかにされていませんが、ロス率は62%~67%改善したという数字が公表されています。




セルフレジの防犯対策はトレネッツ.へ


セルフレジ導入に欠かせない存在とも言えるAI防犯カメラ。

AI防犯カメラの設置は、トレネッツ.へご相談ください。


人物を「ホネホネ」という骨格=ボーンとして認識し、位置や空間把握に優れた「AI大魔神」


300COINS店舗に導入されロス率80%削減で一気に注目を集める「VAAKEYE」


いずれのAI防犯カメラも代理店契約を結んでおり、店舗に最適なAI防犯カメラサービスの選定から設置〜運用まで、トレネッツ.がトータルでご提案・ご提供させていただきます。


お見積り・ご相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。


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