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タブレット型サーマルカメラ価格・性能比較【2021年3月版】
ショッピングモール・百貨店や公共施設の入口に設置されているのを良く見かけるタブレット型の検温装置(スマホタイプという場合もあります)。通行者の体温が端末の液晶画面にリアルタイムで表示されています。
このページでは、そんなタブレット型の検温装置=サーマルカメラについて、スペック・性能や価格などをまとめて比較・解説していきます。

サーマルカメラの仕組み
タブレット型のサーマルカメラの画面の一例です。
顔の上にその写った人物の体温が表示されているのが分かります。
熱が高くなると赤外線を発します。その量を特殊なカメラで捉えることによって、体温を計測しているのです。

このような赤外線を利用して温度を可視化する検温装置を「サーマルカメラ」(サーモグラフィカメラとも呼びます)といいます。
もともと、サーマルカメラはカメラ部分とパソコンを接続して操作するタイプが多かったのですが、最近になってカメラと液晶画面が一体化したタブレット型サーマルカメラが市場に流通するようになってきました。

↑ドーム型(タレット型とも呼びます)のサーマルカメラ
タブレット型サーマルカメラのメリット

タブレット型サーマルカメラの利点は、なんといっても設置がとてもスマートなことでしょう。
従来のPC接続型では別途パソコン本体や液晶モニターを用意する必要があり、それらとの接続も配線が必要になるなど、運用はスマートではありませんでした。
タブレット型サーマルカメラであれば、配線は電源ケーブルのみですのでとてもスマートです。
そのため、検温を実施する場所が変更になっても、移設も容易です。
また従来のサーマルカメラはいかにも「カメラ然」としており、
・防犯カメラではないか?
・盗撮されているのではないか?
など、その外観から意図しない誤解を招くことがありました。
タブレット型サーマルカメラであれば、カメラが端末に内蔵されているので撮影されている感覚を受けにくく、捉えている画像の結果も検温結果と明確に理解できるため、誤解も少なくないようです。
タブレット型サーマルカメラの価格

タブレット型のサーマルカメラは、本体・カメラ・液晶の全ての機能が一つの筐体に入っていますので、価格は比較的高額となっています。
病院やショッピングモールに配置されている大型のディスプレイを備えたタイプ(検温アラームシステム)では、価格も140万円とかなりの高額になっています。
一方で画面の小さいタブレット型であれば、価格はかなり抑えられます。
・大型ディスプレイモデルで、50~145万円
・タブレット型モデルで、10~30万円
が、相場になります。
価格が高いな、と思ったらタブレット型ではなくハンディ型やドーム型も検討すると良いでしょう。
例えばハンディ型であれば月額7,000円からリースすることもできます。
タブレット型サーマルカメラの種類
現在国内で入手可能なタブレット型サーマルカメラの性能や価格を比較してみました。
■SolidCamera サーマルタブ TMT-01S(公式サイト)
高精度(±0.3℃)、音声アラート、マスク着用AI顔認識機能を備えたタブレット型サーマルカメラ。
専用スタンドと併用することで店舗入口での訪問者の検温が可能。またAIによる顔認識機能はマスク着用時も対応し、最大22,400名分の人物を記録できます。
また検温・顔認識だけでなく入退室管理機能も備えるなど、非常に高機能なモデルです。
◎TMT-01Sのメリット
・とにかく高機能
・AI対応&入退室管理までカバー
✕TMT-01Sのデメリット
・タブレット型としては高額
※2021年2月現在、NTT-X storeで435,600円
■HIKVISION アクセスコントロール&サーマルAIカメラ DS-K1TA70MI-T (公式サイト)
世界ナンバー1のシェアを誇る中国の防犯カメラメーカー「HIKVISION(ハイクビジョン)」製の入退室管理と検温装置を兼ねたタブレット型の端末です。
0.3~2.0mの離れた場所から検温可能で、検温精度は±0.5℃となっています。
こちらもAI付き入退室管理機能を備え、6,000名の人物を登録可能となっています。
◎K1TA70MI-Tのメリット
・見た目が他機種と比べて最もスタイリッシュ
・専用スタンドとの統一感もGood
✕K1TA70MI-Tのデメリット
・TMT-01Sと同じく、高額 ※2021年2月現在、Yahooショッピングで180,000円
・TMT-01Sと比べると検温誤差範囲や登録可能人数が劣る
■上海スマートデバイス サーモマネージャー SV-1081D (公式サイト)

楽天市場やamazonなどで10万円を切る値段で様々なショップから「サーモマネージャー」の名称で販売されているタブレット型サーマルカメラが、この上海スマートデバイス社製のSV-1081Dです。"スマホタイプ"としてもこの商品が検索結果に出てきます。
日本国内ではTOA-MITさんがライセンスしTOA-TMN-1000と(もしくはTOA-R-001)して販売されています。

サーモマネージャーの特徴は、なんといってもスタンド設置のタブレットタイプのサーマルカメラとして機能を絞り込み、価格を10万円以下に抑え込んだことです。
機能を絞ったとはいえ、スペック上はサーマルカメラとしても検温精度±0.3℃・高速0.5秒での検温となっています。
◎サーモマネージャーのメリット
・タブレットタイプでは最安 79,800円~
・通販で注文して届いたら設置して電源を入れるだけで使用可能
✕サーモマネージャーのデメリット
・アラームは37.5℃以上で固定など設置変更ができない
・検温距離は0.4mと端末にかなり近づく必要がある
サーモマネージャーが反応しない?
しかしこのサーモマネージャー、相場がかなり崩れており4万円台という価格も出現しています。
ネット上では「反応しない」と言った声も聞かれることも。
そこで、実際に設置している会社の端末で検温してみました。

実際に検温しているのが、上の写真です。
他のタブレット型と比較すると、検温の開始が微妙な印象です。
「近づいてください」という表示が繰り返し出て、なかなか検温がされません。
顔の高さをしっかり合わせ、顔が画面の枠内にしっかり収まるように調整をする必要があります。
スタンド付ですが、店舗などでは様々な身長の方が来客されるため、ここまで検温開始の判定ができないと、実用的とは言えないと思います。
■ZKTeco SpeedFace-V5L / ProFace X(プレスリリース)
体温とマスク着用を検知するAI搭載のタブレット型サーマルカメラ。
こちらも検知誤差は±0.3℃・測定スピードは0.1~0.4秒と高精度・高速検温を実現しています。
また、顔だけでなく指紋や手のひらでの認証も可能。もちろん入退室管理機能も実装しています。
動作条件もマイナス30℃~60℃(湿度90%以下・屋内)と高耐久性が期待できます。
◎SpeedFace-V5L / ProFace Xのメリット
・前述の4機種のスペックを一通り搭載しつつも抑えられた価格設定(22万円~)
・顔認証による入退室管理システムとの連携が可能
✕SpeedFace-V5L / ProFace Xのデメリット
・測定距離は0.5mとやや近め
主な4機種を比較してみました。
結論としては、
バランス型で設定も変更したい…SpeedFace-V5L / ProFace X
が、おすすめの選択肢になるかと思います。
タブレット型サーマルカメラの導入方法
楽天市場やアマゾンで販売され通販で購入できる機種は、「設定不要」を謳っています。
通信販売ですので、業者が設置するわけではなく、自分で設置することになるのですが、これは「設定不要」=「設定変更不可」であるというデメリットでもあるのです。
しかしサーマルカメラによる検温はコロナ感染拡大抑制の視点から、設置するのが目的ではなく、正確な検温を行う必要があります。
万が一、設定や現場の環境に端末が合わず、異常な体温を誤って検出するようなことがあれば来訪者との大きなトラブルに繋がりかねません。逆に本当の発熱者の訪問を検知できなければ、施設や事業所の従業員がコロナのリスクにさらされてしまうのです。そうなれば、サーマルカメラを導入した意味が全くありません。
このように、簡単に設置できるサーマルカメラにはリスクも存在することを理解し、導入に際しては専門業者に依頼することをおすすめします。
実際に、楽天市場で購入した某機種については電源を入れるだけで設置できたものの、発熱者が検温しても37度以上の数値が出ない、といったケースに調整する方法が分からず、結局使われなくなった…ということもあったそうです。
タブレット型サーマルカメラ設置の注意点
では実際にサーマルカメラを導入・設置する際に注意すべき点はどのようなものがあるでしょうか。
・外気に近い場所では使わない
サーマルカメラは熱が発する赤外線を検知していますので、屋外や日差しが強い場所など熱を強く発する場所では訪問者の検温を正確に行えません。また、クーラーの吹出口が近くにあるなどといった場合も避けるべきです。屋内で日差しがない場所を選ぶなど、検温を妨げる熱がない安定した場所を選ぶようにしましょう。
・訪問者を捉えられる場所に設置する
サーマルカメラは一般的なカメラと同様にカメラのレンズを通して映る範囲の検温を行います。そのため設置する角度・アングルに訪問者や対象者がしっかり映る必要があります。タブレット型では異常な体温を検知した際にアラームを鳴らしたりすることができますが、そもそもカメラに移っていないければ検知できませんので、入室を許してしまうことになりかねません。
・自分たちが必要とする基準に設定する
タブレット型サーマルカメラの一部には初期設定不要と謳うものもありますが、これはメリットよりもデメリットが大きいと考えます。例えばアラートを鳴らす体温を何度にするか、というのは施設や会社・事務所によって判断が異なるから、です。また実際に設置して利用してみると、端末の「クセ」のようなものがあることに気づきます。簡単にいうと誤検知になりますが、そういったクセに対して設定や設置方法で改善することが正しい運用には必要不可欠でしょう。
検温だけでなく入退室管理や解錠連動機能がある端末も
このようにタブレット型サーマルカメラは非常に訪問者にも管理する側にもとてもメリットが大きい検温装置であることがお分かり頂けたかと思います。
しかしコロナ対策だからといって検温だけに機能を絞った端末で良いものでしょうか?
実はタブレット型サーマルカメラの中には、検温機能だけでなく、カメラを利用した入退室管理機能を併せ持つものが存在します。また電子錠との連携機能があるものもあり、たとえば
社員が事務所に出勤
↓
タブレット型サーマルカメラで検温
↓
正常なら顔認識で出社記録
↓
事務所入口の電子錠を解錠

といった一連の流れをスマートに行うことができるのです。
タブレット型サーマルカメラは非常に高額な機器ですが、検温だけでなく入退室管理や電子錠との連動によるセキュリティ向上なども付随するとなれば、導入のメリットは価格以上のものを感じて頂けるのではないでしょうか?
タブレット型サーマルカメラの問題点
一見、万能に見えるタブレット型サーマルカメラですが、最近の運用の結果、問題点も浮かび上がってきています。
・訪問者への身体的負担
タブレット型サーマルカメラでは、ディスプレイに向かって訪問者が顔を検測位置に合わせる必要があります。不特定多数の検温を行うため、訪問者の身長も様々です。身長によっては届かない・無理な体制に屈む、など訪問者への身体的負担において課題が残ります。
・訪問者の検温拒否
入室に際してタブレット型サーマルカメラでの検温をお願いするアナウンスを行って設置しても、訪問者がそれに同意しない場合が想定されます。タブレット型サーマルカメラでは訪問者が検温位置に顔を合わせない限り検温できませんので、不特定多数を確実に検温するという点においては課題が残ります。
・多数の連続検温には不向き
タブレット型サーマルカメラでは顔を正しい位置に合わせないと検温が完了しません。そのため、不慣れな場合や先述の身長によっては測定完了まで時間を要する可能性があります。そのため、行列ができるようなイベントなど多数の訪問が予想される場面では、タブレット型サーマルカメラでの検温は向いていません。
まとめると、
◎タブレット型サーマルカメラに適した場面
・訪問者が比較的少数で限定されている
例)小規模な医療施設、飲食店など
・訪問時の接客時間がある程度確保できる
例)ホテル、博物館など
✕タブレット型サーマルカメラが不向きな場面
・訪問者が多数訪れる
例)デパート、ショッピングモール
・訪問時の接客時間が確保しにくい
例)イベント受付、テーマパークなど
もし設置する場所がタブレット型サーマルカメラでは不向きな場合、ドーム型(タレット型)サーマルカメラがオススメです。

タブレット型サーマルカメラならトレネッツ.へ

トレネッツ.は愛知県で公共施設を中心にサーマルカメラの設置を多数手がけてきました。
また防犯カメラを始めとするセキュリティのプロ集団でもあり、タブレット型サーマルカメラはまさに「トレネッツ.のノウハウを結集」してご提供できる端末です。
トレネッツがオススメするタブレット型サーマルカメラ「DM-ProFace X / DM-SpeedFace-V5L」の詳細
特徴
・ProFace Xシリーズ
・室内用
・体温、手のひら認証対応
・顔認証登録容量:30,000件
・画面サイズ:8インチ
・検温方式:サーモパイル
・入退室管理システムや電子錠との連動可能
・SpeedFace-V5Lシリーズ
・室内用
・体温、手のひら、指紋認証対応
・顔認証登録容量:6,000件
・画面サイズ:5インチ
・検温方式:サーモパイル
・入退室管理システムや電子錠との連動可能
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