万引対策まとめ! 既設の防犯カメラを活用した最新の事例も紹介

更新日:2021年11月11日

スーパー、コンビニ、ドラッグストア、書店など店舗の存続を脅かす「万引き」。レジ袋廃止やコロナ禍の収入減・ストレスなどで万引き増加への懸念が高まる今、万引き防止の対策方法を比較。さらには防犯カメラは抑止効果がない!?驚きのデータとは。



万引被害の実態


まず、万引が行われやすい業種はどんな業種でしょうか。 自社のケースと比較するためにも、業種別の発生件数を見てみましょう。

順位

業種

発生件数割合

1位

スーパー

46%

2位

コンビニ

20%

3位

デパート・家電量販店・ホームセンター

13%

4位

ドラッグストア

5%

4位

書店

4%

5位

衣料品店

4%

6位

一般商店・雑貨店・その他

9%

参照)万引きに関する調査研究報告書 - 警視庁(PDF)


業種別の万引き発生件数は上記の通りです。 実に約7割近くをスーパーとコンビニで占めていることが分かります。


以前は書店が上位に入っていました。しかし書店自体の減少や、万引き犯の傾向が変化したことなどにより、割合としては順位を下げています。


また、別の調査「全国万引犯罪防止機構」の公開している最新の調査によると、年間の万引き被害額は1社辺り平均643万円にのぼっています。



被害金額別で見ると、


1位 スポーツ用品店(年間万引き被害額4,700万円)

2位 ドラッグストア(同2,725万円)

3位 スーパー(同654万円)

参照)全国万引犯罪防止機構 全国小売業万引被害実態調査分析報告書(外部リンク)


と、発生件数別とは業種の様相が大きく変化します。



これは単価の高い商品が占める割合が多い業種は万引き件数に対して被害が大きい実態を表していると言えるでしょう。


単価の高く、小型の商品が店頭に多数陳列されているドラッグストアでは、近年万引が急増していることが報道からも分かります。



岐阜県では2020年は過去最高の被害件数となり、人口当たりの発生率では全国1位となったことが報じられています。

参考)中日新聞 県内ドラッグストアで万引急増 発生率、全国1位



また静岡県でもドラッグストアを狙った集団万引が多発。 静岡県警も専門の捜査班を設置するなど、危機感をあらわにして対応しています。

参考)静岡新聞 ドラッグストアで集団万引横行 静岡県警、浜松で防犯指導




万引検挙・補導数の傾向

万引犯が実際に捕まった数はどのように推移しているでしょうか。

実は、万引きの検挙・補導件数は全体としては年々減少傾向にあります。



しかし近年は高齢者や若年層(特に小学生)の犯罪が増える傾向があります。


参照)ヤフーニュース 未成年者と高齢者、万引きとの関係をさぐる(外部サイト)



そして高齢者は食料品を中心とした比較的安価なものを盗む傾向があります。

背景には生活難や孤立など、高齢者が抱える様々な社会問題があるようです。


一方で若年層は単価の高い高額品を盗む傾向があります。

盗んだ物を自分で使うだけでなく"転売"することで現金に換金する傾向も。



また、小学生の万引件数も増加しており、背景にはキャッシュレス化の影響で金銭感覚が狂ったのではないかとの声も報道されています。


今年に入ってからはコロナによる雇い止めなどの問題で職を失ったベトナム人が犯罪組織化し、彼らの犯罪が連日のように報道されるようになりました。


中にはグループでドラッグストアで大量万引した事件もあり、話題になっています。


先の全国万引犯罪防止機構の調査でも、盗んだ商品の処分先として


1位 リサイクル店(19.2%)

2位 インターネット(14.8%)


となっていることから、「万引した物を換金する」という傾向は明らかです。



特に近年はフリマアプリの浸透で以前よりも気軽に物を換金できるようになりました。こちらも高額品万引きを誘発する要因の一つでしょう。


神奈川県では2020年6月、フリマアプリに商品が手元にないまま出品をし、売れたら書店で万引きを行って “仕入れていた” 男を逮捕しました。

参照)神奈川新聞 - フリマアプリで注文受け万引きか 本10冊盗んだ男逮捕(外部サイト)



一方で買取店やフリマアプリでも身分証の提示など本人確認を強化しており、当品であった場合は警察に届け出るなどの義務が古物営業法という法律で定められています。

参照)メルカリ - 本人確認の強化について(外部サイト)



このように換金目的による万引は足が付きやすく、警察が捜査を始めると容易に容疑を固めることができ、犯人を逮捕しやすいのです。



レジ袋有料化の弊害

世界的なプラスチックゴミ削減の流れを受けて経済産業省は令和2年に容器包装リサイクル法を施行し、レジ袋有料化となりました。


これを受け、エコバッグ・マイバッグを持参して買い物することが推奨されるようになりましたが、万引きが増加するという弊害が生まれてしまいました。


万引き犯はもともと”大きなカバンに店頭の商品を入れて盗む”手口が多かったからです。


今回のレジ袋有料化を伴う法改正は、"大きなマイバッグを持参して店内を徘徊する" ことを後押しをしてしまいました。万引犯からすると、袋を持っていてもバレにくい環境を生み出してしまい、万引きを実行するために絶好の機会を与えることになったのです…。

また先述の通り、マイバッグを利用して換金のために万引きするケースも増えています。



背景にはフリマアプリの浸透やリサイクル店の増加などがあります。こうした換金目的の場合には、一度に大量の品物が盗まれることが多く、被害を大きくしています。




実際に大量の化粧品を盗み、マイバッグに入れ、フリマアプリで監禁していた女性の事例をFNNのニュースで取り上げていました。

参照)FNNオンライン レジ袋有料化で増加する“マイバッグ万引き”(外部サイト)



埼玉県のスーパーでも、レジ袋有料化によってマイバッグ万引きが増えているとニュースに取り上げられました。

参照)Yahoo!ニュース レジ袋有料化で“マイバッグ万引き”? ポリ袋の需要増加も



そもそも万引とは

「万引」は店頭の商品を金銭を支払わずに持ち去る犯罪行為です。

法律では刑法235条の窃盗罪にあたります。



窃盗は刑事事件ですが、万引きされた現物が回収できない場合には、民事事件として損害賠償請求を行うこともできます。


その場合は現物代金(セキュリティ器具を破損した場合はその費用も)に限られ、心理的な負荷を理由に慰謝料等を請求することになります。

参照)泉総合法律事務所(外部サイト)


しかし万引き件数に相対して安価なものが被害に合う割合が多く、示談(万引き犯が店舗側に金銭等を支払う等の条件で事件を解決したものとし、逮捕・起訴・刑罰を受けない)で解決するケースが多いのが実状です。



主な万引対策

このように犯罪である万引きは件数自体は減少傾向にあるものの、転売など換金が容易になったこともあり、高額品が狙われ多額の損害を店舗に与える危険性がある状況です。


では、万引対策にはどのような方法があるでしょうか。


調査によって店舗が設置している万引き防止装置のランキングTOP10は以下のとおりでした。

順位

万引き対策方法

割合

1位

防犯カメラ

77.6%

2位

防犯ミラー

40.5%

3位

警備会社の通報システム

32.5%

4位

防犯ゲート

28.1%

5位

防犯カラーボール

13.9%

6位

防犯ベル

8.6%

7位

入口チャイム

7.0%

8位

顔認証カメラ

3.4%

9位

赤色灯

3.0%

10

不審検知装置

1.7%

「防犯カメラの設置」が最も多く、実に約8割が設置していることが分かりました。 その簡易版であり死角を捉える防犯ミラーも、多くの店舗が設置していました。


また、警備会社の通報システムや防犯ゲート、防犯ベル・赤色灯などの音や光で警告する設備も一定の導入数があるようです。



防犯カメラは効果なし!?衝撃の捜査結果


このように多くの店舗が万引き対策として導入している防犯カメラや防犯ゲート、防犯システムですが、実は万引き防止にはほとんど役に立たないという事実をご存知でしょうか。


確かに万引き犯を捕まえるための証拠として防犯カメラは有効です。しかし、警視庁の調査で、万引きそのものをする/しないの判断には防犯カメラの有無は影響を与えていないことが分かってきたのです。