top of page

農作物盗難の状況と対策まとめ 被害は発生しても最低限に/農地の防犯を考える

近年、農作物の盗難被害が多発しています。特に民家から離れた場所で夜間には無人となる農地(ほ場)は、農作物を狙う窃盗犯にとって非常に条件の良い場所となります。一方で無人の時間が多いなど、有効な対策が取りにくい現状があります。今回は防犯カメラ・セキュリティのプロ・トレネッツ.が考える、農地における盗難対策をまとめました。

農作物盗難防犯対策



近年相次ぐ農作物の盗難被害


新聞やニュースで農作物の大量窃盗事件が多く報道され始めたのは、コロナ禍に見舞われた2022年以降になります。


例えばさくらんぼ・林檎・ぶどうなど果樹園が多い山梨県では、2022年に入って農作物の盗難被害が前年の1.5倍に上っていることが報道されました。2022年1月から7月までの間の被害は41件・被害金額は768万円に登りました。

特に被害が多かったのは桃で、2万1000個も盗まれましたのです。


2023年に入っても盗難被害は続いています。


同様に桃の産地である福島県でも、2022年8月11日~18日の1週間で4件もの被害が発生。 桃や特産のシャインマスカットが狙われました。

福島県で桃の盗難

こうした状況を受け、日本各地で収穫時期を前に様々な方法で対策が強化されました。


対策の基本は「見回り」「パトロール」です。


栃木県では収穫前の梨を狙った窃盗を防ぐために警察・JA・市町・県の合同パトロールを実施し、警戒にあたっています。


また山梨県ではドローンを活用した空中からのパトロールを行い、訓練では50メートル上空から不審者を見つけ、警察に通報、不審者を取り押さえる演習が行われています。


どこで農作物は盗まれるのか


全国で多発する農作物の盗難。ではこうした農作物はどこで盗まれるのでしょうか。


農林水産省が集計したデータ(平成30年度)によると、盗まれる場所の半数近くが農地や畑(いわゆる「ほ場」)で発生しています。

農作物の盗難の場所

やはり狙われるのは屋外の農地であり、ビニールハウスや倉庫といった建物がある場所では窃盗に遭う確率が下がるようです。しかし、広大な農地全てに網を設置して囲うというのは広さや資金などの面で難しいのが現実です。



盗まれやすい農作物は?


ではどのような農作物が被害に遭いやすいのでしょうか?こちらも農林水産省がまとめたデータから見ていきたいと思います。


傾向として、桃や葡萄、キャベツ、白菜、林檎、さくらんぼなど、

「一ヶ所で大量に作付されているもの」

「ビニールハウスではなく屋外」

が、盗まれやすいようです。


これは"トラックで農地に乗り付けて、作物をもぎ取り荷台に載せて走り去る"という盗難手法が実行しやすいということが推察されます。

農作物の盗難被害品目

農作物窃盗増加の背景


相次ぐ農作物の窃盗被害。ではどうして近年になって被害が急増したのでしょうか? いくつかの要因が考えられます。


1.コロナによる不況


ここ数年の大きな要因として挙げられるのが、新型コロナウィルスによる影響です。 コロナによる感染拡大により、多くの人が職を失うことになりました。農業においても飲食店からの需要が低下したことにより、果物が実をつけても収穫を見送るという事態も。 こうした条件が重なり、「農作物の価値を理解し、収穫に関する知識がある人間」が「自らの生活のために」犯行を指揮・実行していることが推察されます。


2.農作物の高付加価値化


日本の農業が世界に誇る品種改良能力。それはフルーツのブランド化にも貢献し、非常に甘く豊かに実を付ける果物が市場に供給されるようになりました。


実際に桃の1kgあたりの平均販売価格は直近8年間でも962円→1,423円と1.5倍になっていることが分かります。


こうした果物の高騰が、換金性の高さとなり狙われるようになっているのです。


3.新たな流通ルートの出現


農作物の大量窃盗が話題になり始めた2022年には、フリマアプリ「メルカリ」上に大量の桃が拙い日本語のコメントとともに出品され、話題になりました。



誰もが気軽に不用品を出品・換金できる「メルカリ」に代表されるようなフリマアプリでは、盗難品が度々出品されるケースが相次いでいます。

メルカリの運営会社側もユーザーからの通報などから都度対応していますが、出品カテゴリを本来とは異なるものにして出品するなど、抜本的な解決には至っていません。



逮捕された事例と窃盗の刑罰



農作物の盗難は刑法では「窃盗罪」にあたります。 逮捕・起訴された場合には、10年以下の懲役または50万円以下の罰金を科せられます。


例えば今回逮捕されたベトナム人は、窃盗の容疑が固まり次第改めて逮捕・起訴されることになりますが、刑が確定した場合は懲役刑が適用される可能性が高いと判断されます。その刑期を終えた上で強制送還されることになります。しかし、本国が強制送還に応じなかったり本人が難民申請を行った場合には国内に留まり仮釈放されるケースが増えており、仮釈放中にまた犯罪を重ねるなど別の問題も起こっています。



農作物の盗難対策


このように逮捕されても短い刑期で釈放され、再び犯罪を繰り返す可能性が高い状況においては、「犯人を捕まえること」は必ずしも得策ではなく、犯行発生時の目的にすべきではないと考えるべきでs。


防犯セキュリティのプロ・トレネッツ.は、「犯罪を起こさせないこと」が最大の防犯対策だと考えています。


ではどのような対策を行うことで、農作物の窃盗被害に防ぐことが可能なのでしょうか?

特に効果的な方法は2つです。


1.パトロール

農作物窃盗対策

街の窃盗である万引き対策においても店員の店内周回による声かけが非常に有効であるように、農作物盗難においてもパトロールは非常に効果的な対策方法のひとつです。



2.防犯カメラ・センサー

防犯カメラ

犯罪者は自分が認識されることを非常に嫌います。当たり前ですが逮捕されたくないからです。一方で防犯カメラはあくまで「過去の映像を確認できるもの」ですので、顔が写らないようマスクを被るなど入念に準備を行う犯罪者には防犯カメラそのものが設置されていることは犯行の実行の可否に影響しにくいこともあります。(参考記事:万引犯は防犯カメラを気にしていない


防犯のプロであるトレネッツ.として防犯機材としておすすめなのは、センサー系のセキュリティ機材です。


フラッシュセンサー

例えばセンサーライトやセンサーアラームなどは、不審者を検知すると強烈な光や音で威嚇を行います。特に農地など普段は人気がない場所であれば、その光や音は離れた場所からも気づくことができ、自宅や近隣の住民に不審者の訪問を知らせることができるため、早期の警察への通報などに繋げることができます。


こうした機材については、事務所・倉庫の防犯対策TOP10!泥棒に効果的なセキュリティ機器は何? 会社防犯のプロが教えますの記事でも紹介しているので、ぜひご覧ください。



農作物盗難対策の補助金


農作物盗難助成金

こうした農作物の相次ぐ被害に対して、自治体として防犯対策に補助金を拠出した例があります。愛知県碧南市と山形県で実施されましたが、いずれも既に終了しています。

各自治体や農協などで補助金や助成金の情報を集めるようにしましょう。



トレネッツ.の農地防犯施工事例


トレネッツ.では農地の防犯対策も施工いたしております。


愛知県美浜町の事例では、センサーによる光と音で発報するシステムを導入させていただきました。


愛知県美浜町農地防犯




トレネッツ.の防犯セキュリティのオススメ、赤外線センサーとセキュリティシグナルを設置。侵入者を検知し、アラームを発報。これとは別に防犯カメラも設置し、万が一の犯行が強行された場合でも記録を残すようにしています。



農地のため電源がないなどの状況でも対応できるケースがあります。 まずはお気軽にご相談ください。


農地・畑の盗難対策はトレネッツ.へ


トレネッツ.では面倒な配線工事はもちろん、お客様の予算感にあったカメラ機材の選定、カメラの設置場所自体も狙われやすいポイントや万が一の際に必要な画角も事前に調査し、提案させていただきます。



名古屋市北区に本社を構えるトレネッツ.は、


「犯罪をされたらどうするかではなく、犯罪をあきらめさせるにはどうするか」


という考えに基づいた防犯診断、設計、施工、運用保守とすべてワンストップサービスを展開しています。


中小企業の社長同士だからこそ、本当に必要なセキュリティ対策の提案力・相談力に自信があります。

2020年の防犯設備の設置実績は474件。


工場、事務所、倉庫などご予算や方針に沿った防犯機器のご提案・設置を差し上げますので、まずはお気軽にお電話・メールでお問い合せください。




事務所・倉庫の防犯対策TOP10の記事もぜひご覧ください。



bottom of page