
年々深刻化するカラスによる被害。都心部でもゴミ集積所などでカラス被害の問題が顕在化しています。
最近では鳥インフルを媒介しているとも指摘されており、町の景観への問題だけではなくなってきています。
「カラスは駆除できるのか?」「カラスを追い払うにはどうしたらよい?」
カラスのトラブルを軽減・回避するためのグッズ選定とその効果を検証し、より抜本的な対策について考察します。
市販のカラス対策グッズ/4つの方法
まず、カラスを捕獲・捕まえたり、駆除のため殺すことは違法です。
カラスは鳥獣保護管理法により「有害鳥獣」に指定されていますが、捕獲・殺生は法律で禁止されており、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課せられます。
しかし、追い払うことは問題ありません。
そのためカラス対策として様々な方法が考えられたり、グッズとして販売されています。
ここでは市販されている4つの方法=カラス対策グッズをご紹介します。
1.光でカラス対策

カラスは光の反射を嫌います。そのため昔、農家ではCDやDVDを紐でぶら下げたりしてカラス避けを行なっている方法をよく見かけたかと思います。
それと同じ原理で、より光が複雑な反射をするように考えられたのが、楽天市場ランキング1位にもなった「カラスなぜ逃げる」です。

こちらのグッズの楽天市場のレビューは345件で3.86。半数以上の人が星4以上をつけていて、一定のカラス撃退効果がありそうです。
2.死骸でカラス対策

カラスは知能の高い生き物です。そのため仲間の死骸を見ると、「自分にも身の危険が迫るのではないか?」と警戒して近寄りにくくなると言われています。最近見かけるようになったのが、こうした心理を活用した「カラスの死骸」を模した人形を吊り下げておく、という方法です。

このグッズの楽天市場のレビューは36件で4.44。レビューの絶対数は少ないですが、かなりの満足度で、こちらもカラス撃退の効果が期待できそうです。
カラスの外見がちょっと苦手、という方は類似品でふくろうバージョンもあります。
3.音でカラス対策

音で撃退する方法もあります。鳥類が嫌う周波数の超音波を出すことでカラスを近づけさせないのが、超音波による対策です。
音波が届く範囲は最大40mということですが、効果的なのは直線距離で4-5mになります。5秒動作した後25秒停止する動作を繰り返します。

amazonでの評価は453件中、3.4。やや効果が感じられない割合が多いようです。
こちらのカラス撃退グッズを実際に使ってみましたが、直線的には効果があるように感じますが、そこから離れると効果が薄くなるため、カラス撃退の範囲がかなり限られる印象でした。
4.視覚でカラス対策

カラスは餌を視覚、つまり目で見て探しています。カラスは非常に目が良いことも特徴です。ゴミ袋の中に食べ物があることを見分けて、ゴミ袋を啄みます。
そのため「中身が見えにくくなる」「簡単には袋を破れない」ことは、カラス対策では重要な方法です。カラス対策として販売されている市販のゴミネットを被せることで、大幅にゴミが散乱する被害を防ぐことができます。

カラス対策グッズとしてはシンプルですがYahoo!ショッピングでの評価は113件中、4.61と高い評価が出ています。
我が家も使用する前は頭を悩まされましたが、使い始めたら効果テキメン、カラスの被害が激減しました。
生ゴミ/燃えるゴミで被害が多い場合は、かなり効果的なカラス対策になります。
ただし、ネットが外れて中が見えてしまうと、カラスは「ネットの下に餌がある」ということを学習してしまい、次からはネットをめくってゴミ袋を破るようになるので、ネットで確実にゴミ袋を包むようにしましょう。
市販カラス対策グッズの課題

このように「光」「形」「音」「視覚」の4つの方法でカラスを撃退し、一定のカラス被害軽減が期待できる市販のカラス対策グッズですが、課題も見えてきました。
1.カラスの学習効果
カラスは非常に頭が良い動物です。
そのためカラス対策グッズを設置しても、「これは害がない」と分かると普通に近づいてきます。
例えばゴミネットでも下から捲れば開けられる、などです。
このように、高い知能でカラス対策を突破してしまいます。
2.対策の範囲が狭い
カラス対策グッズでは、たとえば光の反射を利用した「カラスなぜ逃げる」やその類似品でも、ある特定の場所への対策であれば撃退効果を発揮しますが、「工場全体」「農場全体」「一軒家の敷地全体」のような、広大な範囲でカラス対策することはできません。
仮に全域に施工した場合でも膨大なコストが発生します。
3.外観・景観が悪い
光の反射を利用したものや、カラスの死骸を模したようなカラス対策グッズは、家やマンションでは外観・景観を著しく損ないます。
家の周りが全部、光るカラス対策グッズで囲まれていたら訪問者や近隣の方のお宅への印象はどうでしょうか?
いくらカラス対策の被害が減っても、見栄えが悪いことは耐えられない人もいるかと思います。
このように、大きなエリア・範囲では、市販品でのカラス対策グッズでは実効性もコスト面でも現実的ではありません。
カラスによる重大被害事例
カラスの被害はもはや個人の問題ではなく、社会全体の問題に発展しています。

2024年11月10日、札幌市の円山動物園で野生のカラスが死んでいるのが見つかり、死因が高病原性鳥インフルであることが判明。11日には旭川市の養鶏場でも鳥インフル感染によって170羽が死んでいるのが見つかっています。

自由に飛び回り雑食性で様々な場所に現れては餌を食い散らかすカラスは、鳥インフルを媒介している可能性があります。

2024年末から愛知県では養鶏場での鳥インフルエンザの感染が相次いで報告されており、農林水産省が緊急の現地対策会議を開くなど、対策に追われています。
その中でも鳥インフルエンザウイルスの感染経路としてカラスが挙げられています。

このようにウイルスの媒介が疑われるカラスですが、ウイルス以外でも問題になっています。それは都市部でのカラス被害の深刻化です。
岐阜県の玄関口、JR岐阜駅前では大量のカラスによる被害に頭を悩まされています。
3年前の2021年ごろからカラスが駅前に集まるようになり、今では約4,000羽が駅周辺に生息していると考えられています。原因は山間部での餌不足と都市部で発生する生ゴミ。
市ではゴミ出しルールの周知のほか、カラスが集まってきた時に警戒した際にカラスが発する声をスピーカーから鳴らしたり、ビルの屋上に微量の電流を流すなど対策を行なっていますが、抜本的な解決には至っていません。
富山県富山市でも同様に都心部でのカラス被害が深刻化。2007年のピーク時には約1万羽のカラスが飛び交い、糞やゴミの散乱に悩まされていました。

そこで市は積極的な捕獲を開始。結果、生息数は2,000羽前後で推移し、大幅に都心部でのカラス被害を減らすことに成功しました。
カラスによるウイルスの媒介や糞・ゴミの散乱は、現代社会における深刻な問題です。
しかし岐阜市や富山市など地方行政であれば大掛かりなカラス対策を行うことが可能ですが、一般人や一般私企業ではカラスの捕獲・駆除を行うことは原則できないのです。
カラスは有害鳥獣だが捕獲・殺生はNG

カラスが活動を活発化させるのは春から夏。これはちょうどカラスたちの子育ての季節に入るためです。母ガラスが卵やヒナを守るため警戒心が強くなり、巣の周りに近づく人を威嚇したり、餌を確保するためにゴミ収集場所を荒らしたりするようになります。
しかしこのようなカラスの被害を防ぐためにカラスを捕獲したり、殺したりすることは法律で禁止されています。
実際に愛知県清須市ではカラスが大量死している事件が発生した際、何者かがカラスを毒死させたものとして愛知県警が捜査に乗り出しています。
さすがにカラスを捕まえたり殺したりして懲役や罰金を支払いたくはないですよね。
ではカラスを効果的に撃退する方法はないのでしょうか?
畜産業での被害は待ったなし

このように大きな範囲での抜本的なカラス対策において改善方法がない中、畜産業では被害が深刻化していました。
農林水産省の調べによると、こうした畜産業におけるカラスを含む野生鳥獣による被害は年間約156億円にのぼり(令和4年度調査)、先述の牛舎における惨状のように畜産業に携わるスタッフの心理的な負担は数字で現れる以上のものになっていることでしょう。
もちろん国としてもこのような状況を看過している訳ではなく、鳥獣被害防止特措法を制定・より現場に近い実行力のある対策の実施に向け制定された平成19年以降、平成24年・26年・28年・令和3年と三度に渡る細かな改定を行うなど緊急性の高いものになっており、国・市町村が連携して対策を行なってはいます。
一方で対策がシカ(キョン)・イノシシが中心であり、カラスによる被害対策は進んでいないのが実情ではないでしょうか。
(北海道の被害でもシカ(エゾシカ)による被害額44億円に対して、カラスは2億円と割合が低い)
特にひどかった牛舎による被害

国としてはシカやイノシシによる対策が進む一方で、島根県の牧場では牛舎でカラスによる深刻な被害に悩まされていました。
衝撃的ともいえるその内容を以下にご掲載します。
被害の例)
・牛のエサや水を奪う
・生まれたばかりの赤ちゃん牛の毛をむしる
・お産のあった牛の胎盤を食べる
・お母さんの牛の乳房を突いて、静脈から大量出血→失血死
・親の牛の背中に乗り背中を突いて食べる
まさに鬼畜、極悪非道ともいえるカラスの牛への被害。
想像するだけで絶句するレベルの悪行に、牛舎の人たちは苦しめられてきました。
そこで山陰パナソニック株式会社(島根県出雲市)が、画期的なカラス対策を開発したのです。
カラス対策の救世主!緑色のレーザー光線
山陰パナソニック社は、東京の企業と共同でカラスが嫌がる緑色のレーザー光線を発する機器の開発。
開発の際は、カラスの学習能力に対抗する為不規則なタイミング・パターンで照射できる仕組みを盛り込んだのです。

牧場では検証のために設置した機器の導入により、年間20頭の牛の被害を大幅に減らすことに成功。設置から1年後でもレーザーの照射範囲にはカラスが全く入ってこないそうです。
抜群の効果から、カラスのストレスで母乳が出にくくなっていた乳牛がストレスから解放され、搾乳量が1日約30Lも増加する成果を収めました。そのため農場では最終的に15台のレーザー装置を本格導入したとのことです。
島根県での成功を受け、北海道の十勝でも機器を牧場で設置。
高い効果を発揮しています。

都市部でも緑レーザー光線が活躍
革命的な効果をもたらした緑色のレーザーを放つカラス対策機器。
畜産業だけでなく都市部でも導入・検証が進み、効果を出しつつあります。

富山県高岡市でもカラスの糞害やゴミの散乱に悩まされています。
そこで市はカラス被害軽減のため、2024年9月27日からこの対策機器を試験的に設置。検証を行い効果が認められれば2025年以降に導入するとのことです。
カラス撃退レーザーとは

カラス撃退レーザーは、カラスが嫌う緑色の光を照射し、近寄らせないという原理としてはシンプルなものです。
カラスの高い学習能力を考慮し、
レーザーのオン・オフを繰り返し照射(照射距離25〜35m)
レーザー照射機を回転(0°〜355°)
レーザーの発光パターンを変化(4パターン+拡大縮小)
させることで、設置後長期間が経過した後でも高い効果を維持します。
実際に開発のきっかけにもなった浜田メイプル牧場での動作の様子を収録したYouTube動画がありますので、ぜひ見てみてください。
複雑なパターンで緑の光が牛舎内を照らしている様子がお分かりいただけるかと思います。
カラス撃退レーザー本体

こちらが機器本体です。
防犯カメラのような外見をしています。
100V(50/60Hz)の一般的な電源で稼働します。

この本体が355度回転しながらレーザーを照射するわけです。

照射パターンはこの4パターンです。
本体の回転動作と、レーザー自体のON/OFF、さらにパターンの拡大縮小により、不特定な挙動をさせています。
なお緑色の光線自体に何か有害な影響はありません。
あくまで『カラスが緑色の光を嫌う、避ける』という習性に沿ったもので、牛舎の例でも牛は何も感じていません。
(強い光は発していますので、レーザー本体の照射口を直視することは避けてください)
注目のカラス撃退レーザー、トレネッツ.が取扱い開始!

愛知県ではセキュリティ対策のエキスパートとして年間474件の施工実績を誇る「トレネッツ.」が販売を開始しました。
農業以外への活用も広がる
元々、牛舎への被害改善を狙ったカラス対策機器でしたが、そこは名古屋にあるトレネッツ.、早速思わぬ場所へ設置依頼をいただいております。
カラス対策レーザー設置事例)配送業社の物流倉庫

お客様から大切な荷物を集配する物流センターでも、カラスの被害に頭を悩まされてきました。
トレネッツ.では大手配送業者(A社様、B社様)でカラス対策のご相談をいただき、早速レーザーを導入させていただき、カラス被害の軽減に絶大な効果を発揮しています。
カラス対策もトレネッツ.へ

カラスの糞害・ゴミトラブル、鳥インフル対策でお悩みの方、「カラス撃退レーザー」の導入は、【トレネッツ.】まで、ぜひお気軽にお問い合わせください。
名古屋市北区に本社を構えるトレネッツ.は、セキュリティ対策のエキスパートとして
「犯罪をされたらどうするかではなく、犯罪をあきらめさせるにはどうするか」
という考えに基づいた防犯診断、設計、施工、運用保守とすべてワンストップサービスを展開しています。
中小企業の社長同士だからこそ、本当に必要なセキュリティ対策の提案力・相談力に自信があります。
年間設置実績は474件。

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